> 検査・薬


ハムスターは小さいがゆえにできる検査も限られてきますが、どちらかといえば医療機器より獣医師の腕次第という部分が大きいように思います。
薬もハムスター専用というものは無く、ほとんどが犬猫用の薬をハムスター用に調合してあります。
ではなぜこの章を設けたかというと
・『小さいから無理、リスクが多いから無理などの理由は本当なのか』
・『適切な処置か』
・『処方された薬は安全か』
を見極めるために必要だと思いました。
ごく一部ではありますが、参考までに掲載してみます。

検査

●血液検査
※採血しにくいことから、経験豊富な獣医師でも二の足を踏むことの多い検査です。
  1. 試験紙
  2. 簡易検査器具
などを使えば検査可能です。
状態の悪いハムスターでない限りできる検査で、後ろ足、爪の毛細血管、眼窩などから採血します。
(眼窩からの採血はエキゾチックアニマルの治療に慣れた獣医師でないと危険です)
採血限度量は、血液総量の10%といわれています。
その量を採血した場合は次の採血まで約1ヶ月ほど間を開ける必要があり、血液総量の1%ほどの採血の場合は連日でも可能のようです。

●尿検査
※持参した尿が無くても比較的容易に検査することが可能です。
  1. 保定後、恥骨の前部分を軽く圧迫
  2. @で排尿しなかった場合は、冷たい金属などのうえにハムスターを置く
などの採取法ができ、排尿した尿をスポイドで吸い取ります。
正常なハムスターの尿でもカルシウムやリンで濁っており、数値の高い尿タンパクも認められます。
pH(ペーハー:酸性やアルカリ性を計る数値)も高めですが、8前後なら正常です。

●便検査
  1. 採取した便を顕微鏡で見る
下痢や軟便の場合は肛門に付着している便から原因菌(虫)の特定が可能ですが、健康なうちに行う便検査の場合は、取れたての便を乾燥しないように密封して持参した方が良いでしょう。
ただし原因が検出されない場合もあるので、一度の検査で安心するのは要注意です。

●X線とエコー検査
※X線検査
  1. 一般的には歯科用フィルムを用いる
  2. バリウムを飲ませて消化管を造影することも可能
腫瘍などにはエコー検査の方が有用な場合もあるので、全ての疾患がレントゲンで判断できるわけではありません。

●腫瘍の中身を検査する
  1. バイオプシー(針を刺して検体を取る方法)
  2. 患部を切除して病理検査に出す
などの方法がありますが、バイオプシーが比較的容易にできるのは耳や手足などで、胸部や腹部、内臓へ行うことは難しいです。
病理検査に出す方法も、時間とお金がかかることを把握しておいてください。

●ヘルニアの検査
  1. 麻酔下で開腹する
ヘルニアは、膿瘍や腫瘍との判別が難しいといわれています。
膿瘍や腫瘍であることがはっきりせずヘルニアの疑いもある場合は、穿刺や吸引は行うべきではありません(コントロールできない出血が生じるため)。

●皮膚の検査
  1. 皮膚を掻爬して顕微鏡で見ます。
皮膚病の検査はどれもほぼ同じですが、使用される薬については病気一覧を参考にしてください。

●抗生剤
※ハムスターに使用可能な抗生剤
  1. エンロフロキサシン
  2. クロラムフェニコール
  3. ポリミキシン
  4. ドキシサイクリン
  5. サルファ剤
  6. ニューキノロン系

※危険な抗生剤
  1. ペニシリン
  2. 合成ペニシリン
  3. リンコマイシン
  4. クリンダマイシン
  5. マクロライド系の経口投与
  6. アミノグリコシド系の経口投与
  7. セフェム系テラマイシン
  8. ストレプトマイシン
  9. エリスロマイシン
  10. バシトラシン
抗生剤はハムスターの疾病において使用されることの多い薬剤ですが、残念なことに、ハムスターにとって危険な抗生剤を出す獣医師も存在します。
危険な抗生剤を服用すると、抗生物質によって死滅しなかった細菌が異常増殖し、腸毒素を生産してしまいます。
こうなるとハムスターは高確率で命を落とします。
抗生剤に限らずですが、処方された薬は必ず確認するよう心がけてください。

◆その他の薬については病気一覧を参考にしてください。



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